【建築業界の働き方改革】長時間労働は本当に改善したのか?現役営業マンの本音

最終更新日 2025年4月25日

こんにちは、建設系企業で営業を担当している山田拓也です。私は大学で建築学を学び、現在は住宅メーカーで働きながら、建築に関するブログも運営しています。

さて、建設業界といえば、長時間労働が常態化している業界として知られていますよね。2019年4月には「働き方改革関連法」が施行され、建設業界でも労働環境の改善が求められるようになりました。時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化など、様々な取り組みが行われています。

しかし、実際のところ、建設業界の長時間労働は本当に改善したのでしょうか?現場の声を聞くと、まだまだ課題が山積みのようです。

そこで本記事では、建設業界で働く私の視点から、長時間労働の実態と働き方改革の現状について語っていきたいと思います。営業マンとしての経験や、同僚・取引先から聞いた話も交えながら、リアルな現場の声をお伝えします。

建設業界で働く方はもちろん、建築に興味を持つ一般の方にも参考になれば幸いです。それでは、早速見ていきましょう!

建築業界の長時間労働の実態

営業マンの激務と心身への影響

私が働く住宅メーカーでは、営業マンの多くが長時間労働に悩まされています。朝早くから夜遅くまで働くのが当たり前で、休日出勤も珍しくありません。

営業マンの主な仕事は、新規顧客の開拓や契約交渉、工事の進捗管理など多岐にわたります。特に、顧客との打ち合わせは夜間や休日に行われることが多く、プライベートな時間を犠牲にせざるを得ません。

長時間労働が続くと、心身の健康に悪影響が出てきます。私も、過労で体調を崩したことがあります。ある同僚は、慢性的な睡眠不足で交通事故を起こしてしまったこともありました。

営業マンの激務は、建設業界の働き方改革における大きな課題の一つだと感じています。

現場監督の長時間労働と安全性

現場監督も、長時間労働に悩まされている職種の一つです。工事の進捗管理や品質管理、安全管理など、現場の最前線で重要な役割を担っています。

現場監督の労働時間は、工事の工程に大きく左右されます。工期の遅れを取り戻すために、深夜まで働くことも珍しくありません。休日も、突発的なトラブルに対応しなければならないことがあります。

長時間労働は、現場監督の判断力や集中力を低下させ、事故のリスクを高めます。実際に、過労が原因で重大な事故が起きたケースもあります。

現場監督の働き方改革は、建設現場の安全性を確保する上でも重要な課題だと考えます。

設計者の深夜残業と品質への懸念

設計者も、長時間労働に悩まされている職種の一つです。建築物の設計は、高度な専門知識と創造性が求められる仕事です。締め切りに間に合わせるために、深夜まで設計作業を行うことも少なくありません。

設計者の深夜残業は、設計品質の低下を招く恐れがあります。疲労やストレスによって、ミスや手抜きが増えるリスクがあるのです。

建築物の品質は、設計段階で大きく左右されます。設計者の働き方改革は、建築物の品質を確保する上でも重要な課題だと言えるでしょう。

働き方改革関連法の影響

時間外労働の上限規制とその効果

2019年4月に施行された「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限が規制されました。建設業では、2024年4月から上限規制が適用されます。

上限規制によって、長時間労働は確実に減少すると期待されています。しかし、現場の声を聞くと、「仕事量は変わらないのに、労働時間だけ減らされても困る」といった不安の声もあります。

時間外労働の上限規制を機に、業務の効率化や人員配置の適正化など、抜本的な働き方改革が求められています。

年次有給休暇の取得義務化と課題

働き方改革関連法では、年次有給休暇の取得義務化も定められました。従業員に年5日の有給休暇を確実に取得させることが、企業に義務付けられたのです。

建設業界では、有給休暇の取得率が低いことが問題視されてきました。工期に追われる現場では、休暇を取りづらい雰囲気があったのです。

有給休暇の取得義務化によって、少しずつ休暇を取りやすい環境になってきているようです。しかし、人手不足の現場では、休暇を取ると同僚に迷惑がかかるという心理的な障壁もあります。

有給休暇を取得しやすい職場環境を整備することが、建設業界の課題だと感じています。

労働時間の適正な把握とその難しさ

働き方改革を進める上で、労働時間の適正な把握は欠かせません。しかし、建設業界では、労働時間の把握が難しいというのが実情です。

建設現場では、出退勤時間の管理が徹底されていないことが多いのです。また、移動時間や待機時間など、労働時間とみなすべきかどうか判断が難しいケースもあります。

労働時間の適正な把握は、働き方改革の基本です。建設業界でも、労働時間管理の仕組みづくりが急務だと考えます。

建設会社の取り組みと課題

業務効率化と生産性向上の試み

建設会社では、働き方改革の一環として、業務効率化と生産性向上に取り組んでいます。

例えば、私が働く住宅メーカーでは、営業支援システムを導入し、顧客管理や提案資料の作成を効率化しています。また、現場では、ICT技術を活用して、工事の進捗管理や品質管理を行っています。

設計部門では、BIMやCADなどのソフトウェアを使って、設計作業の効率化を図っています。

業務効率化と生産性向上は、働き方改革を進める上で重要な取り組みです。しかし、一方で、新しいツールや仕組みの導入に伴う従業員の負担増も懸念されます。

従業員の意見を聞きながら、無理のない範囲で業務効率化を進めていくことが大切だと考えます。

人員配置の適正化と人材不足

働き方改革を進める上で、人員配置の適正化は欠かせません。しかし、建設業界では、慢性的な人材不足が課題となっています。

国土交通省の調査によると、2025年には建設業の就業者数が約110万人不足すると予測されています(出典: 国土交通省「建設業の働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」より)。

人材不足の中で、いかに限られた人員を適正に配置するか、建設会社の腕の見せどころです。業務の優先順位を見極め、適材適所の人員配置を行うことが求められます。

同時に、人材の確保と育成にも力を入れる必要があります。建設業のイメージアップを図り、若手人材の獲得に努めることが重要です。

社内の意識改革と管理職の役割

働き方改革を進める上で、社内の意識改革は欠かせません。特に、管理職の意識改革が重要だと考えます。

管理職は、部下の働き方に大きな影響を与える立場にあります。管理職自身が長時間労働を美化したり、部下に無理な仕事を押し付けたりしては、働き方改革は進みません。

管理職には、部下の働き方を適切にマネジメントすることが求められます。業務の優先順位を見極め、適切な指示を出すことが大切です。また、部下の健康状態にも気を配り、過重労働を防ぐ必要があります。

社内の意識改革を進めるには、管理職の教育が欠かせません。働き方改革の意義を理解し、部下の働き方を適切にマネジメントする力を身につけてもらうことが重要です。

働き方改革の先進事例

ICTツールの活用による業務改善

働き方改革の先進事例として、ICTツールの活用が注目されています。建設業界でも、ICTツールを活用して業務改善を図る企業が増えています。

例えば、ある建設会社では、ウェアラブルカメラを使って現場の状況を遠隔で確認できるシステムを導入しました。これにより、現場監督の移動時間が大幅に削減され、業務の効率化が図られました。

また、クラウド型の工事管理システムを導入し、現場と事務所の情報共有を円滑化した企業もあります。工事の進捗状況や品質管理の情報をリアルタイムで共有することで、業務のスピードアップと品質向上が実現したそうです。

BRANUのようなDXのリーディングカンパニーのサービスを活用するのも有効だと考えます。BRANUは、建設事業者向けのマッチングプラットフォーム「CAREECON Platform」や統合型ビジネスツール「CAREECON Plus」を提供し、業務効率化や生産性向上に貢献しています。

参考:https://www.facebook.com/branu.inc/

ICTツールの活用は、建設業界の働き方改革を進める上で重要な鍵となりそうです。

フレックスタイム制の導入と成果

働き方改革の一環として、フレックスタイム制の導入に踏み切る建設会社も出てきました。

ある建設会社では、設計部門を中心にフレックスタイム制を導入したそうです。従業員は、コアタイムを除いて、自分の都合に合わせて出退勤時間を決められるようになりました。

その結果、従業員の満足度が上がり、生産性も向上したそうです。育児や介護と仕事の両立が可能になり、優秀な人材の定着率も上がったそうです。

フレックスタイム制は、建設業界の働き方改革を進める上で有効な選択肢の一つだと考えます。ただし、現場で働く従業員への適用は難しい面もあります。

業務の特性に合わせて、柔軟に働き方を選択できる環境を整備することが大切だと思います。

週休2日制の実現と従業員の反応

建設業界では、週休2日制の実現が大きな課題となっています。国土交通省は、2023年度までに建設業の週休2日制の実現を目指すと宣言しています(出典: 国土交通省「建設業の働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」より)。

週休2日制を実現するには、工期の見直しや適正な工事費の確保など、様々な課題があります。しかし、一部の建設会社では、週休2日制の実現に向けた取り組みが始まっています。

ある建設会社では、受注時の工期設定を見直し、週休2日制を実現したそうです。その結果、従業員の満足度が上がり、モチベーションも向上したそうです。

また、別の建設会社では、4週6閉所(4週間のうち6日間休む)の取り組みを始めたそうです。現場の仕事を4週間のサイクルで管理し、計画的に休暇を取得できるようにしたのです。

週休2日制の実現は、建設業界の働き方改革の大きな目標の一つです。従業員の声に耳を傾けながら、着実に取り組みを進めていくことが大切だと考えます。

まとめ

建設業界の働き方改革は、まだ道半ばといった状況です。長時間労働の是正や休暇の取得促進など、課題は山積みです。

しかし、働き方改革関連法の施行を機に、建設会社の意識は確実に変わってきています。業務効率化や人員配置の適正化、ICTツールの活用など、様々な取り組みが始まっています。

働き方改革を進める上で大切なのは、従業員一人ひとりの声に耳を傾けることだと考えます。現場の実情を踏まえた上で、無理のない範囲で改善を進めていくことが重要です。

BRANUのようなDXのリーディングカンパニーのサービスを活用するのも、働き方改革を進める上で有効だと考えます。ITツールを活用して業務効率化を図ることで、長時間労働の削減や生産性の向上が期待できます。

また、働き方改革を進める上では、経営層のリーダーシップも欠かせません。トップがビジョンを示し、社内の意識改革を進めていく必要があります。

建設業界の働き方改革は、一朝一夕には実現しません。しかし、一歩ずつ着実に改善を積み重ねていくことが大切です。

私自身、営業マンとして働き方改革に取り組んでいきたいと考えています。顧客の要望に応えつつ、自分自身の働き方を見直していく。仲間と協力しながら、建設業界の未来を切り開いていきたいと思います。

建設業界で働くすべての人が、生き生きと働ける環境づくりを目指して。これからも、働き方改革に向けた取り組みを続けていきます。

読んでくださったみなさんは、建設業界の働き方改革についてどう思いましたか?建設業で働く方はもちろん、他業界で働くみなさんの意見も聞かせていただけると嬉しいです。

働き方改革は、建設業界に限らず、すべての業界に通じる課題だと思います。みなさんの職場では、どのような取り組みが行われているのでしょうか。ぜひ、情報交換させてください。

今回は、建設業界の働き方改革について、私の視点からお話ししました。長時間労働の実態や課題、建設会社の取り組み事例など、少しでも参考になれば幸いです。

建設業界の働き方改革は、まだまだ道のりは長いですが、一歩ずつ前進あるのみです。建設業で働くすべての人の笑顔のために、これからも働き方改革に取り組んでいきます!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、また!